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エコキュート

エコキュートとは?電気と空気でお湯を沸かす原理と仕組み

電気と空気でお湯を沸すエコキュート。そのメカニズムを解説。似たように電気の力でお湯を沸かす「電気温水器」との違いや、三菱・日立などメーカー別のエコキュートの違い、よりお得にエコキュートを使うワザも紹介。

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この記事の目次

正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ式給湯器」

一般的に広く「エコキュート」の名称は知られていますが、実はこれは正式な名称ではありません。関西電力が商標登録しているのですが、製品を各メーカーが製造して販売スタートする際に同じ名称に統一して販売促進した方が効率的だろうということで、各メーカーや電力会社も「エコキュート」の名称を使用してプロモーションを始めた訳です。
いわばこの製品の愛称ということですね。

「エコキュート」=「エコな給湯」につながるとして決まったようですよ。
この製品の正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ式給湯器」と言います。
この長い名称だけを聞いただけでは、全く仕組みなどイメージ出来ませんね?

実際にどんなメカニズムになっているのか? 電気温水器との違いは?
「エコキュート」で電気料金を節約する方法は? どんなメーカーがあるか?
製品にはどんなタイプがあるのか?などを詳しくご説明致しましょう。

「エコキュート」がお湯を作る原理と仕組み

空気中の熱を取り込む

ヒートポンプユニット(室外機)が空気中の熱を取り込みます。

空気中の熱を自然冷媒が吸収

取り込んだ空気中の熱を熱交換器の中の自然冷媒(二酸化炭素)が吸収します。自然冷媒というのは自然界に存在している物質で毒性も可燃性もないものです。また加熱能力に優れているので例え外気温がマイナス10度と低くても高温での貯湯が可能です。

圧力を掛けて高温に

自然冷媒(二酸化炭素)内に取り込まれた熱にコンプレッサーで圧力を掛けて高温にします。でも通常は夏場でもせいぜい33~34度程度でしょうから、そんな温度ではとてもお風呂でも使用できませんね?
でも忘れてはいけないのが、空気は圧縮すれば熱くなるのです!

家庭にある圧力鍋を想像してもらえば理解出来るかと思います。圧力鍋は中の空気を圧縮することによって非常に高温に出来るのです。ヒートポンプの原理もこれと同じことです。

熱を水に伝えてお湯に

「熱交換器」で高温となった自然冷媒(二酸化炭素)の熱を水に伝えてお湯を作ります。

お湯をタンクに貯める

作られたお湯は冷蔵庫のような大きさのお湯を貯めるタンク「貯湯タンク」に貯められます。ちなみにその時のお湯の温度は季節によって異なりますが、約65~90度と言われています。

熱を水に伝えた自然冷媒(二酸化炭素)は、膨張弁を通過して開放すれば熱を失って低温に戻ります。そして再度、熱交換機に移動して空気中の熱を取り込み始めます。このような工程を繰り返して電気と空気の力でお湯を作り出すのです。

エアコンが一台で冷房や暖房を自由自在に出来るのは、このヒートポンプの原理の為です。圧縮して上がった高温を使えば暖房に利用出来ますし、逆に開放されて低温になったところで使えば冷房としても利用出来る訳です。

「エコキュート」と「電気温水器」の違いとは?

1964年、最初の東京オリンピックがあった年に電気温水器は初めて日本で販売が始まりました。「エコキュート」の販売スタートは2001年ですから、その30年以上前から電気温水器は普及が始まったと言えるでしょう。

お湯の作り方の違い

「エコキュート」は空気中の熱を吸収・圧縮して得られた高温の熱を使用してお湯を沸かして貯湯します。
一方の電気温水器には瞬間型と貯湯型の2つのタイプがありますが、共に電気ヒーター(電熱器)を使用してお湯を沸かします。ちょうど巨大な電気ポットを
想像してもらえばイメージ出来るでしょうか?

電気代の違い

使用して月々掛かる電気料金に関しては圧倒的に「エコキュート」が安価です。
一般的には約3倍の差があるとされています。

「エコキュート」の初期費用

本体価格(定価)90~110万円程度
設置工事    12-~14万円程度

「電気温水器」の初期費用

本体価格(定価)50~60万円程度
設置工事    10万円程度

「エコキュート」の電気料金

1カ月 1,000~500円程度
1年間 12,000~18,000円程度

「電気温水器」の電気料金

1カ月 4,000~6,000円程度
1年間 48,000~72,000円程度

「エコキュート」の方が毎月の電気代は3,000~4,000円安くなります。
「エコキュート」は初期投資の金額は大きいですが、毎月のコストは大幅に安くなるので、長い目で見れば「エコキュート」は電気温水器よりも得と言えます。

しかしここで気を付けなければならないのが、各家庭の状況をチェックすることです。
家族の人数は何人か?毎日風呂は入るのかどうか?シャワー派か?などなど。
例えば夫婦二人住まいで余り毎日のお湯の使用量が多くない場合はせっかくの「エコキュート」のメリットを享受出来ないかも知れません。

逆に従来の電気温水器を使用する方が安くなるというケースもあるのです。
充分に各々の家庭の状況や生活パターンなどを考慮することが大切です。

必要となる設置スペースの違い

電気温水器の場合は貯湯ユニットだけがあればお湯を作ることが出来ます。
しかし「エコキュート」の場合は、貯湯ユニットに加えてヒートポンプユニット(室外機)を設置しなければならず屋外により広い設置場所の確保が必要です。

「エコキュート」の種類としてはどんなタイプがあるか?

「エコキュート」の種類としては、大きく分けて基本的に3種類あります。

フルオートタイプ

文字通り、フルオートということで、浴槽の足し湯や保温、お湯はりなども全ておまかせの全自動です。

オートタイプ

お湯はりだけが自動で、追い焚きや足し湯などは手動で調節するタイプです。

給湯専用タイプ

蛇口からお湯が出るだけの従来からあるシンプルなタイプです。

「エコキュート」の主要なメーカーはどこ?

「エコキュート」の主なメーカーはパナソニック、三菱電機、東芝、日立、コロナとダイキン工業の6社あります。
「エコキュート」のマーケットシェアはパナソニックが30%とトップを走っており、その後を三菱電機、ダイキン工業、コロナと続きます。

リフォーム産業新聞

パナソニック

日本市場ではトップシェアのメーカーです。デザイン性には従来より定評があります。
独自機能の「エコナビ」を搭載しており、学習能力を持ち究極のエネルギー効率を追求しています。

ユニークな機能としては「リズムeシャワープラス」があります。
シャワーの温度及び水量を変えることで10%の節水効果と最大20%の省エネを実現しました。
もうひとつの機能「ぬくもりチャージ」も注目ですよ。
風呂の残り湯の熱を利用することで、翌日のお湯はりに活かす機能です。これで最大10%のお湯はりエネルギーを削減しました。

三菱電機

以前からユニークな機能を搭載していることで注目されています。
例えば「バブルおそうじ」と言って風呂の栓を抜くだけで、配管内を自動的に掃除してくれる機能があり配管の劣化を防ぐ効果も期待出来ます。
また入浴中に気泡を満たす機能「ホットあわー」もあります。これはワンタッチで0.01ミリの微細なバブルを発生させます。この細かい泡が全身を包んでくれて自宅にいながら最高の気分のバスタイムが楽しめます。

実際に5日間連続で「ホットあわー」の機能を使用すると、お肌の水分量が普通の1.6倍に増加しているとの調査結果が出ているそうです。特に女性の方にとっては非常に嬉しい機能ではないでしょうか?

ダイキン工業

エアコンや空気清浄機などでも有名なメーカーです。常に環境に配慮した製品の開発に挑戦しており、非常にエコ意識の強いメーカーと言えるでしょう。

ユニークな機能「たっぷリッチ」

水圧の弱さが「エコキュート」の弱点であったのですが、パワフルな水圧をダイキン製品は実現しています。気持ちの良い高圧シャワーでシャンプーの泡も素早く洗い流せます。

コロナ

世界で最初に家庭用エコキュートを製造・販売したパイオニア企業です。業界からも高評価を得ており、グッドデザイン賞や省エネ大賞など数々の賞を受けています。信頼度の高いメーカーでコスパに優れた製品づくりに注力しています。

東芝

高い技術力を誇る総合電機メーカーです。特に「エコキュート」の基幹ユニットであるヒートポンプに関しては、他社をリードしており一般的には3年間の保証期間を東芝は品質への自信の表れとして5年間の保証にしています。

「銀イオンの湯」

銀イオンを発生させるオリジナル機能で、菌の増殖を防止してたとえ2日前のお風呂であっても99%の除菌効果できれいな水質をキープします。
また、この銀イオンを活用して配管洗浄する機能などもあります。

日立

信頼度が非常に高く、様々な製品を製造販売する総合電機メーカーです。

「ウレタンク」

 断熱効果が非常に高いウレタンフォームを貯湯ユニット外部に使用して、保温・断熱効果を高めました。12時間経過後もタンク内のお湯の温度低下は、約マイナス2.5度と従来品の2倍の断熱性を確保しました。

水道直圧給湯「パワフルシャワー」

弱いシャワーの水圧はストレスになりますが、日立の「パワフルシャワー」は文字通り水道と同じ高い圧力を維持しています。3階でも快適にシャワーが使えて、台所と浴室で2箇所同時にお湯を使用しても水圧が落ちることはありません。

「ナイアガラ倍速湯はり」

スピーディーにお湯はりする為に、湯はりを2回路としました。それによって通常なら180リットルで約12分間掛かっていたお湯はりが、5分45秒と超高速で湯はりが完了するのです。夏場など、すぐに汗を流したい時などにはとても便利な機能ですね。

「エコキュート」の電気料金を出来るだけ安くする為のポイントとは?

通常は安価な夜間電力を使用している為「エコキュート」の電気料金は安くなって当然なのですが、最も注意すべきなのは日中にお湯が不足してしまって止むを得ず沸き増しをするケースです。電気料金を抑えるのに有効と思われるポイントを6つ紹介しましょう。

モードを季節ごとに使い分けるようにする。

実際のところは「おすすめ省エネモード」が最もコストが安くなります。
しかし、そのモード設定にしていて日中に再三、お湯が不足してしまって、その都度沸き増ししないといけないような場合は、少し多めにお湯を沸かすような設定に変更した方が良いかも知れません。

寒い冬には多くお湯を使用しますから、それに適した湯量のモードに設定するでしょうが、夏場には使用量が減るので省エネモードに変更するなど臨機応変にその時々でも適切なモードに変えることで無駄な電気料金を削ることが出来ます。

その日ごとの状況に準じて設定モードもこまめに変更する。

もし当日にお湯を使用する予定がない場合には、日中の焚き上げをストップしておく。
タンク内の湯量が残り少なくなると、自動的に沸き増しを昼間に実行する「自動沸き増し機能」が搭載されている「エコキュート」は事前にその機能を停止して無駄な電気料金の発生を防ぐようにします。

ピークカット設定を正しく実行する。

夜間の電気が安い電気料金プランは、昼間は時間帯別に料金が設定されていて夜間に比べて非常に割高な時間帯があります。
どの時間帯が最も価格的に高くなるのか?確認をした上で、その時間帯にはピークカット設定(設定した価格の高い時間帯には、たとえお湯が残り少なくなっても沸き増しをしない設定)にしておくようにセットする。

ちなみに東京電力のピークシフトプランを確認すると、
(2015年1月時点の料金単価)

夏季のピークの時間

54円68銭

昼間の時間

28円99銭(夏季ピーク時間を除く 7時~23時)

夜間の時間

12円16銭(23時~翌7時)

一番高い時間帯は安価な夜間の電気料金の何と4倍以上の高額です。
うまくピーク時間帯の電気を使わずに済めば大きく電気料金が削減できるという訳ですね。

高温足し湯機能をもっと活用しよう!

 

お風呂のお湯は「自動保温」にしたり「追い焚き」するよりも、「高温足し湯」を利用する方が電気料金の節約になります。浴槽内のぬるくなったお湯を循環させてタンクの熱を使用して再度沸かしているので、タンクの熱が取られてしまうのです。しかし「高温足し湯」ならタンク内の湯を足し込むだけなので結果的に節約につながります。

同様の理由から、前日の浴槽のお湯をわざわざ沸かし直すより、新たに再度お湯はりした方が節約出来ます。もしも水がもったいないと思うのであれば洗濯用に使用すれば良いでしょう。

休止モードも活用する。

もしも旅行や出張等で家を空ける必要が出来た場合は、それが数日間であっても長期間であっても、休止モード設定にして不要な沸き増しなどをしないようにしましょう。また長期不在になる時は、水抜きなどのメンテナンスを実施するチャンスです。

夜間の時間設定を再確認して採用プランの検討をする。

契約している電気プランによって、使用できる安価な夜間電力の時間帯が違います。特に「エコキュート」の場合は、夜間の時間設定がもし間違っていれば電気料金が高めになったりしますから絶対に間違えないように確認するようにしましょう。

また契約先の料金プランに改定がなされたり、家庭の生活パターンの変化などで適切なプラン内容が変わるような場合もありますから、都度最適な料金プランで契約出来るように注意する必要があります。
これも節約には大きな要素になります。

エコキュート仕組みのまとめ

「エコキュート」は初期コストは高いですが、毎月の電気料金は大幅に安くなりますから、長期的に見てコスパの良い商品だと思います。

但し、最もその恩恵を受けるのは比較的大人数の家族で、毎日お風呂その他でお湯の使用量も多い家庭です。逆に老夫婦二人などのケースはお湯の需要も多くないでしょうから、「エコキュート」を導入しても余りメリットがないかも知れません。その意味で自分の家庭では「エコキュート」を導入すべきかどうか?
そこを慎重に検討すべきだと思いますね。

検討して導入すべきとなれば、出来るだけ多くのブランドを扱っていて施工の
経験が豊富な信頼できる施工業者を見つけることが重要になります。
高価な買い物ですし、通常なら10年以上使用出来るものですから、その間のメンテナンス等もしっかりとお願いしなければいけませんからね。
是非、快適なエコキュートライフをお楽しみください!