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エコキュート

エコキュートのお湯切れの4つの原因と対策!最適なタンク容量も

エコキュートでよくあるトラブル「お湯切れ」について、なぜ起こってしまうのか、どんな対策があるのかを詳しく解説!お湯切れに悩む方が意外と知らない「最適なタンク容量」の目安や注意点、タンク容量について知っておくべき基礎知識まで分かりやすく解説。

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この記事の目次

エコキュートは2001年に販売を開始してから、現在では国内で約500万台が普及していると言われています。省エネで電気料金が非常に節約できるとか地球環境にも優しいなど数々あるメリットに対して、デメリットの上位にランクされるのがいわゆる「お湯切れ」です。

普段エコキュートを使用していて最も困るトラブルのひとつが突然の「お湯切れ」ではないでしょうか?特にシャワーやお風呂に入っている最中にお湯が突然出なくなってしまっては本当に困ってしまいますね。このようなお湯切れのトラブルを未然に防ぐ為に知っておくべき基本的な知識などを今回は説明致します。是非、参考になさってください。

一体、お湯切れとは何か?

エコキュートの原理や構造などを余り知らない人が、お湯切れと聞くとどんなイメージが浮かぶのでしょうか?多分、貯湯タンクの中にはお湯だけが入っており、お湯を使い過ぎたらタンクが空っぽになってしまって蛇口やシャワーから断水時のように何も出てこなくなる。きっとそんなイメージでしょうか?そう勘違いしている人が意外に多いのです。

残念ながら、その考え方は間違っていて正しくありません。エコキュートの貯湯タンク内では使用して減ったお湯と同じ量の水が補給されるのです。従ってタンク内が空っぽになるような状態にはなりません。お湯が無くなるだけです。要するにお湯切れが起こった時は、貯湯タンク内には冷たい水だけが満タンになっている状態である訳です。

貯湯タンクの上部には熱湯があり、下部には水があります。そして中間の部分はお湯と水が混ざった状態です。お湯切れの状態は、上部の熱湯が使用されて無くなってしまった状態と言えますね。

お湯を使うスピードにお湯を沸かすスピードが追い付けない為に、蛇口やシャワーからは水だけが出てきます。これがいわゆる「お湯切れ」と呼ばれる状態なのです。再度、お湯が出てくるまでには1時間程度は待たなければいけませんから、特に寒い冬場でお風呂やシャワーの途中だとしたら大変ですね。風邪引きそうでゾッとしてしまいます。

エコキュートの経済性と特徴

エコキュートは他の給湯器と比べて非常にコストパフォーマンスが優れているとされています。これはお湯を沸かす為に使用する電力を、日中と比較して大幅に安価な夜間電力を使用しているからに他なりません。要するに夜中に次の日に使用するお湯を事前に沸かして、タンクに保温した状態で貯湯して実際に使うまで待機している訳です。言い換えれば製造原価の安いお湯を使えるので経済的と言われるのですね。

でも、これがもし途中でお湯切れを起こしてしまって、止むを得ず日中の非常に割高な電力を使用してお湯を沸かすことになれば、せっかくの経済的なメリットも吹っ飛んでしまいます。本来のエコキュートのメリットが失われてしまうのです。その意味からもエコキュート購入時のタンク容量の選定が非常に重要になってきます。

「大は小を兼ねる」として単に大きめの容量モデルを購入すれば確かにお湯切れの心配がなく安心かもしれませんが、当然価格的には少し高くなってしまってしまいますね。

但し10年前と比べればエコキュートの価格自体も非常に安くなりました。例えば、370Lと460Lの価格差はメーカーにより定価で比較すれば大きな差があるものの実際の販売店による実売価格としては数万円程度の差にまで縮まってきています。もし予算が許せば、湯切れの心配をする必要のない少し大きめのタンクを検討する方が良いと思います。

設置した後で後悔する位なら、購入時にワンランク上の容量モデルにした方が無難でしょう。更にメリットとしてタンク容量が大きい方が中のお湯が冷めにくくなるので、保温用に掛かる電気料金も節約できるのです。

エコキュートでお湯切れする場合の4つの原因

1)家族のライフスタイルやお湯の使用状況に対してタンク容量が小さ過ぎるケース

計算上は4人家族に適した370Lを使用していたとしても、実際のお湯の使い方においてヘビーユーザーになっている可能性があります。例えば、お風呂が大好きで必ず毎日朝と夜の2回入浴する習慣があるなどです。また専業主婦のいる家庭と夫婦共稼ぎの家庭でも使用するお湯の量は大きく異なります。当然ですが、共稼ぎで平日は家にいない家庭の方が使用する湯量はかなり少なくて済むでしょう。

時々、お湯切れを起こすような場合には、その家庭で実際に必要な湯量に対してタンク容量が小さ過ぎるのかも知れません。このような場合には、生活パターンを見直して使用する湯量を節約するか、もしできない場合にはエコキュートの使用年月がそれなりに長い場合には思い切って早めに大きめの容量のエコキュートに買い替えるかです。

2)通常よりも多くのお湯を使ったことでお湯切れするケース

子供夫婦が孫を連れて里帰りした場合や宿泊の来客があったような場合には一気にお湯の使用量が増加してしまうのでお湯が不足してしまう状態になりやすくなります。もしそのような状況が事前に分かっている場合には、エコキュートの「おまかせモード」のような機能を使用せずに前日の夜から満タンでお湯を貯められるように設定を変更してやりましょう。要するにリミッターを解除して全力を出させる訳ですね。

こうすることで電気代はちょっと高く掛かってしまいますが、お湯切れは防止できます。また冬場に大勢の宿泊客があるような場合には、設定変更してもお湯切れの不安がありますから最後の手段として近隣の銭湯や温泉などの入浴施設等を緊急避難的に利用するのも無難かも知れません。

3)季節によってお湯の使用量は大きく変わる

考えれば当然のことですが、寒い冬の時期には洗いものにも洗顔や手洗いの時にもお湯を使ってしまいますね。でも夏場なら水で十分です。その意味で冬には夏よりもずっと多くのお湯を必要としますから、うっかりするとお湯切れが起こるケースがあるのです。

4)あなたは「お風呂派」ですか?「シャワー派」ですか?

一般的に言って「お風呂派」の方が「シャワー派」よりもお湯の使用量が多くなるのが普通です。もちろん「シャワー派」の人も冬場は寒いので「お風呂派」に転向する場合が多いでしょうが。お湯の使用量という点では「シャワー派」の方が少なくなる訳です。

家族構成と貯湯タンク容量の目安

各エコキュートメーカーのホームページ等では、家族構成(何人家族か)によって選択すべき貯湯タンクの一般的な目安が示されています。但し、これは飽く迄も平均の参考値です。

  • 320L:2~3人
  • 370L:3~5人
  • 460L:4~7人
  • 550L:5~8人

各々の人数に幅があるのは、お湯の使い方が各家庭によってバラバラだからです。同じ4人家族であってもほぼ毎日、全員がまとまった短時間の間にお風呂に入れるのであれば370Lで問題はありません。しかし入浴時間が全員大きく違うような場合には370Lでは不足してしまう可能性もあります。

また子供たちが独立して家を出たことで夫婦ふたりになったとして320Lのタンク容量を選択したとしても、ゴールデンウィークやお盆シーズン、年末年始の休みなどに子供が孫を連れて里帰りしたりすれば、たちまちお湯切れを起こす恐れがあります。その為、エコキュートの購入時には最大で何人位の人数がお風呂を使う可能性があるかも考慮して機種を選択することが必要ですね。

各タンク容量での具体的なお湯の使用量目安

タンク容量:550L

  • 家族構成:5~8人
  • お湯の具体的な使用量目安:お風呂のお湯張り1回(約180L)/1日にシャワー8回程度/5~8人家族の通常の洗濯や洗面など

タンク容量:460L

  • 家族構成:4~5人
  • お湯の具体的な使用量目安:お風呂のお湯張り1回(約180L)/1日にシャワー5回程度/4~5人家族の通常の洗濯や洗面など

タンク容量:370L

  • 家族構成:3~4人
  • お湯の具体的な使用量目安:お風呂のお湯張り1回(約180L)/1日にシャワー4回程度/3~4人家族の通常の洗濯や洗面など

タンク容量:320L

  • 家族構成:2~3人
  • お湯の具体的な使用量目安:お風呂のお湯張り1回(約180L)/1日にシャワー3回程度/2~3人家族の通常の洗濯や洗面など

*シャワーは1回あたり8分程度(10L/分)を想定。

自分たちが住んでいるエリアもタンク容量の選定に関係する

例えばタンク容量が同じ370Lであっても、冬場の北海道と比較的温暖な沖縄では実際に使用できる湯量が倍以上違ってきます。従って寒冷地エリアにお住まいの方は、やや大きめのタンク容量が必要になります。逆に温暖な地方の方は、やや小さくても大丈夫かも知れません。容量を考える時には、それら地域差も考慮すべきです。

エコキュートの貯湯タンク容量で知っておくべきこと

よく誤解されているのが、タンク容量(L)がイコール使用可能なお湯の量(L)であると考えてしまうことです。そうではありません。確かにタンク容量とは文字通り、タンク内に保管できるお湯や水の量ですが、実際にタンク内に貯蔵されているお湯は給湯に適したような40℃程度のお湯ではありません。

貯湯タンク内のお湯は常時80~90℃程度の熱湯がキープされており給湯時には適温になるまで水を加えて温度調整した上で供給されるのです。従って370Lのタンク容量なら、その2倍近い量のお湯が使用可能となる訳です。

エコキュートのお湯切れ防止対策

1)設置前に最適なサイズのタンク容量を選択する

家族の人数ごとに適した容量の目安を前述しましたが、これらは平均的な数値です。設置する地域の水温によっても使用可能な湯量が変動するのです。沖縄の4人家族なら320LでもOKですが、北海道などの寒冷地では460Lないとお湯が不足する恐れがあります。

2)事前にお湯の使用量が増えることが分かっている場合は設定を変更する

宿泊客があるような場合には、前夜にお湯を沸かす量を「たっぷり」や「多め」「満タン」などに設定を切り替えておきましょう。そうすることで夜中にエコキュートがタンクに満杯のお湯を沸かして保温しておいてくれます。

3)節電モードの「深夜のみ沸き上げモード」設定を一旦解除する

「深夜のみ沸き上げ」モードに設定していると万一、お湯が不足しそうになっても電気料金の高い昼間には敢えてお湯を沸かさないので、昼間の沸き上げを許可する「おまかせモード」などへの切り替えが有効です。そうすればお湯が不足しそうになれば、昼間の電力を使用してお湯を沸かしてくれます。

おわりに

エコキュートを導入した初期の段階では、まだエコキュートの使用にも慣れていないこともあって、時々お湯切れを経験するかも知れません。特に寒い冬の時期は、夏と違ってお湯の使用量自体が増えるので十分に注意しないとお湯不足になりがちです。突然、お湯切れになってしまうと次にお湯が出てくるまで1時間程度は待たなければなりませんからお風呂の途中だと悲惨な状況になってしまいますね。

そんな事態を防ぐ為、事前にまず行うべきことがエコキュートの設定変更によるお湯切れ対策でしょう。もし設定変更後にもお湯切れが起こる場合には、日頃の生活パターンを見直してシャワーの回数を減らすなりの工夫が必要になります。それがどうしても困難ということであれば、止むを得ずワンランク上の容量タンクへの買い替えが必要になります。

例えば370Lから460Lの機種にグレードアップするとして、タンクの設置スペースが大きくなるのでは?との不安があると思います。しかしコロナ製を除いて、既存のメーカーと同じメーカーの製品を購入すれば370Lも460Lの製品も貯湯タンクの幅と奥行きの寸法は全く同じです。ただ高さだけが33~36cm程度高くなるだけですから、余分に設置面積が大きくなるような心配は無用です。現在の設置場所にすっぽりと収まります。

そしてエコキュートの購入の際に注意すべきことは、現在の状況だけでなく10年後の家族構成もイメージしながら必要な貯湯タンクの容量を決めることです。現時点では、まだ子供が小さかったり、更に家族が増えたりする可能性があるかも知れませんから。

逆に結婚して別居していた子供夫婦が将来に同居するような可能性はありませんか?様々な可能性も加味しながら少し余裕を持ってタンク容量を決定すれば、後々で問題が発生することも少なくなると思います。一度購入して設置すれば10年程度は使用する製品ですから、後悔することのないように慎重に検討することが非常に重要になってきます。

是非、適切な選択でお湯切れの心配のない快適なエコキュートライフを楽しんでください。