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後悔する前に!知っておくべきオール電化のメリット・デメリット

オール電化の導入を検討している方に向けて、後悔しないためにも事前に知っておくべきメリット・デメリットを詳しく解説!オール電化そのもののメリット・デメリットはもちろん、エコキュートやIHクッキングヒーターそれぞれの長所・欠点までを詳しく解説。

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この記事の目次

住宅の新築やリフォームを機にオール電化にしようかと思案されている方も多いと思います。「オール電化」とは文字通り、日々の家庭生活に必要なエネルギーをすべて電力で賄って、ガスを一切使用しない生活です。

今回は電気・ガス併用からオール電化を導入した場合のメリット・デメリットの検証に加えて、オール電化にすれば必ず導入するアイテムである給湯器のエコキュートやガスコンロに代わるIHクッキングヒーターのメリットとデメリットも比較検討してみたいと思います。是非、今後の参考になさってくださいね。

オール電化にした場合のメリットとは?

端的に言ってオール電化の場合には、ガスの使用を完全に停止して家庭内で使用するエネルギーをすべて電力で賄うということです。両者のコスト比較ではオール電化の方が電力会社の割引プランなども考慮すれば有利になるケースが多いと思います。

特に日中は家にいない共働きの夫婦などは深夜割引の恩恵をフルに受ける事ができるのでコストの削減に有効です。

しかし2~3世帯同居の大家族の場合などは電気料金が高い日中の電力消費も多くなるのでガス使用の方が結果的に安くなる場合もあるでしょう。また都市ガスよりも割高なLPガス(プロパンガス)の使用地域に居住されている方には、より一層オール電化の割安感が実感できるのではないでしょうか。

1)安全性と災害時の復旧スピードの差

何と言ってもオール電化では調理中に「火」を使用することがないので、お年寄りと同居でも消し忘れの心配がなく、吹きこぼれなどによる立ち消えの心配もありません。この点は非常に安心できる大きなメリットだと思います。また大地震や台風、大雨などの災害時においてもガスよりも電気の方は復旧が早く完了します。

ちなみに東日大震災の場合にはガスの復旧には約5週間も掛かったのに対して、電気はわずか1週間程度で復旧しています。この時間差の理由のひとつは、電力の場合には地上の電線が対象であるのに対して、ガスの場合は手間の掛かる地下のガス管の復旧が必要であることも関係しているのでしょう。

また震災時などに停電や断水となった時もエコキュートの貯湯タンクのお湯や水を生活用水として利用することができるのも非常に大きいと思います。

2)居住地による地域差

日本国内でも比較的温暖なエリアに居住している場合にはオール電化で火を使用せずCO2も排出しないクリーンエネルギーを使用して十分に快適な生活ができます。しかし冬場に深い雪に閉ざされるような寒冷地の場合には逆に素早い立ち上がりのパワフルなガスが好まれるかも知れませんね。

3)オール電化と太陽光発電を組み合わせれば更なるメリットが!

各電力会社が提供している電気料金プランが非常に太陽光発電と相性が良いのです。この料金プランでは夜間電力は割安で提供する代わりに昼間の電気料金は高めに設定されています。そこで太陽光発電の出番です。

太陽光を活用して発電する太陽光発電の活動時間帯は、当然ながら日の当たる日中になります。その時間帯に割高な電力会社からの電気を使用せずに自家発電した電力を活用すれば非常に好都合ですね。

オール電化にした場合のデメリットは?

ここまでオール電化のメリットを見てきましたが、デメリットにはどのようなことが考えられるでしょうか?以下はオール電化にした場合のデメリットと思われる内容です。

1)オール電化導入の初期コストが高い

平均的な機種の価格でIHクッキングヒーターは約15~20万円、エコキュートに至っては約45~50万円程度の初期費用が掛かります。この場合に太陽光発電とセットでオール電化に切り替えた方が得になるかどうかは、現在のガス料金がどの程度掛かっているかで判断できるでしょう。

2)オール電化と太陽光発電をセットで導入すべきかどうかの目安は?

基本的にこれまでのガス使用料金が比較的低額の場合はオール電化にするメリットが余りないでしょう。現在のガス料金が月平均で10,000円以上の場合オール電化と太陽光発電をセットで導入するとメリットが大きいでしょう。現在のガス料金が月平均で6,000~10,000程度の場合適正価格で設置ができるのであれば前向きに検討する価値があります。

現在のガス料金が月平均で6,000円未満の場合残念ながらオール電化にしても余りメリットが出ないかも知れません。

3)ライフラインのエネルギーが電力の一択になってしまう

大震災や台風などの大雨被害によってライフラインが完全に停止してしまう場合がありますが、大規模停電などに見舞われた時に家の中が機能マヒに陥ってしまうのであれば、ガスと併用していた方が無難では?と懸念する向きもあります。

エコキュート(給湯器)を導入するメリットは?

オール電化に移行すると従来から使用してきたガス給湯器から電気を使用するエコキュートに変更することになります。では実際にエコキュートにはどのようなメリットが見込めるのでしょうか。

1)エコキュートは省エネで財布に優しい

エコキュートの場合は少ない電気量でお湯を沸かすことができるので他のガス給湯器や電気温水器と比較して省エネで光熱費が大幅に節約できます。

2)エコキュートは環境にも優しい

エコキュートは空気中から熱を集めて、より大きなエネルギーに変換できる自然冷媒を使用した高効率のヒートポンプ方式を採用しています。自然冷媒の二酸化炭素CO2を冷媒としてエコキュートはお湯を沸かしますから空気を汚さず環境に非常に優しいのです。

3)非常時にもお湯や水が使用できる

万一、震災や台風などの災害時に断水や停電に見舞われてもエコキュートの貯湯タンク内に保存されているお湯(水)を生活用水として普段通りに利用する事が可能ですから不自由を感じることがありません。

4)各家庭がニーズに合った製品を選択しやすい

多くのメーカーがバラエティー豊かな製品ラインナップを用意しているので、各家庭がそれぞれのライフスタイルや予算に合った製品を多くの選択肢の中から選ぶことができます。

エコキュート(給湯器)を導入するデメリットは?

ではガス給湯器などと比べてエコキュートを導入した場合のデメリットは何でしょうか?

1)ガス給湯器よりも購入費用が高額

エコキュートはガス給湯器と比べると、構造も複雑であり導入コストもかなり高額になってしまいます。大家族で普段から大量にお湯を使用しているようなケースでは経済的なメリットも大きくなりますが、少人数で余りお湯を使わないようなお宅では残念ながらメリットが実感できない場合もあります。

2)室外機から発生する深夜の騒音

エコキュートは割安な深夜の電気を利用して主に夜間に稼働します。隣近所が寝静まった深夜に室外機からの作動音が発生するので、設置場所などに注意しないと隣人とのトラブルの原因になることがあります。特に夏よりも外気温の低い冬場の方がヒートポンプもフル稼働する為に作動音が大きくなる傾向があります。

3)家の外に広い設置スペースが必要

エコキュートの導入には家の外にヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットを設置する為の適正なスペースが必要になります。家の周囲にスペースが確保できないような場合には設置が無理なケースもあります。

IHクッキングヒーターを導入するメリットは?

オール電化にすれば従来から使い慣れたガスコンロからIHクッキングヒーターに変更することになります。では、このIHクッキングヒーターのメリットとは何なのでしょうか?

1)安全性が高い

火を使用して加熱するガスコンロと違ってIHクッキングヒーターは火を使いません。メリットとしては何と言っても火を使わない安全性でしょう。ガスの消し忘れや点火し損なった状態の放置で発生するガス漏れは恐ろしい一酸化炭素中毒の原因になりますが、IHではその心配はありません。

またガスコンロと違って紙や衣類がトッププレートに触れても燃えることはありませんから、特に高齢者がいらっしゃるご家庭などでは安心できますね。

2)手入れが非常に簡単

調理中の吹きこぼれなどに関しても、ガスコンロの複雑な形状の五徳と異なりIHクッキングヒーターは天板が平面のガラストップなので清掃がとても簡単で手間が掛かりません。

3)空気が汚れない

IHクッキングヒーターは環境に優しく空気を汚しません。火を使用しないので二酸化炭素(CO2)が発生せず室内の空気をクリーンに保つことができます。

4)キッチンに熱気がこもらない

従来のガスコンロで暑い夏場に調理していると熱気でキッチン内の温度が急上昇して非常に苦痛でした。しかしIHクッキングヒーターであれば、もうそのような心配は無用です。キッチンがサウナ状態になるようなことはもうありません。

5)油が飛び散りにくい

火を使わないので空気の対流による油の飛び散りが防止できます。その為に壁や換気扇も汚れにくくなり、キッチンをいつもきれいに保つ事ができます。

6)高火力で加熱が早い

IHクッキングヒーターは標準タイプで3.0kWと高火力で加熱が早いので、ガスのハイカロリーバーナー以上の高火力が発揮できます。従って調理時間もガスと比べて短縮できるのです。IHの場合、熱効率が高く加熱スピードが速いのでガス以上に火力は強力です。

熱効率で言えば、ガスコンロは約55%ですから半分近くの熱を鍋の周辺に逃がしているのですが、IHに関しては約90%ですから非常に無駄が少ないと言えるでしょう。

IHクッキングヒーターを導入するデメリットは?

安全性も高く、環境にも優しいIHクッキングヒーターですが、導入に際してはそのデメリットも把握しておく必要があります。

1)使用できる調理器具に制限がある

IHヒーターに使用できる鍋やフライパンは鉄やステンレス製のIH対応が前提であって、耐熱ガラス鍋や土鍋、底が丸い中華鍋などは使用不可です。ですから場合によっては新しく買い揃える必要があるかも知れません。

2)微妙な火加減の調節が難しい

IHの扱いに慣れてくれば大丈夫かも知れませんが、使い慣れたガスコンロと違って炎の大きさを見ながら調節する訳ではないのでワンタッチでの微妙な火力の調整が難しいと言えます。特にお年寄りにとっては長年使い慣れたガスコンロと勝手が違うので戸惑いがあるかと思います。

3)停電になると使用できない

従来のガスコンロと異なりIHヒーターは電気をエネルギーにしている為に停電の際には完全に使用不可となってしまいます。

4)火を使ったあぶりや鍋振りなどができない

IHクッキングヒーターにおける調理では常に鍋底がトッププレートの上面に触れていないと加熱できません。ですから焦げ目を付ける料理や直火を必要とするような料理には不向きです。料理が大好きな人にとっては少し物足りなく感じるかも知れませんね。

5)調理直後にトッププレートのヒーター部分に触れて火傷するリスクがある

ガスコンロと違って火を使わない為に、外観からは熱さが分かりづらいのでうっかりしてパネル上面に触れて火傷してしまう恐れがあります。

6)IHクッキングヒーターの導入コストが高い

一般的にガスコンロと比較してIHクッキングヒーターは価格が2倍以上します。IHクッキングヒーターの平均的な製品寿命は約10年程度とされていますが、購入に際しての初期コストはガスコンロと比較して高いと言わざるを得ません。

おわりに

今回はオール電化にした場合のメリットとデメリットを検証しました。ガス使用と比べてオール電化にも当然ながらメリットとデメリットがあります。有利かどうかは各ご家庭のライフスタイルや人数によっても異なりますから一概にどちらが絶対に有利だとは断定できません。

導入に際しては是非、自分や家族の生活パターンに照らし合わせて、よりお得になる方を選択するようにしてください。

またオール電化を導入する場合には、少しでも電気料金を節約する為に家族の人数構成やライフスタイルに変化があった場合には、こまめに電力会社のプランの見直しを検討することをお勧め致します。